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発酵ツーリズム東海

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発酵ツーリズム東海の楽しみ方

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こんにちは、小倉ヒラクです。

きょうは、今 #発酵ツーリズム東海 を一緒にやっている、NPO法人ORGANの蒲さんとの出会いのお話など。

今から15年ほど前のこと。
当時僕は東京で駆け出しデザイナーをやりながらゲストハウスを経営するという、カオスな生活を送っていました。
日本全国世界各地から馬の骨が集合して夜な夜な宴会をしている場所に、よく遊びに来ていたのが岐阜の馬の骨たち。
その中のひとりが
「岐阜に面白い友人がいるから会いに行こう」
というので、それまで全く縁のなかった東海、岐阜へ遊びに行って出会ったのは、当時グラフィックデザイナーをやりながら岐阜のまちづくりに関わり始めていた 蒲 勇介でした。
僕も東京で当時珍しかったソーシャルデザイナーとして地域の活動に関わっていたので、初対面でさっそく兄弟のような間柄に。

年に何度か岐阜を訪ねるうちに、蒲さんから「長良川をシンボルとしたツーリズム企画をやるつもりだ」という話を聞きました。それが岐阜市民ならみんな知ってる長良川温泉博覧会(通称おんぱく)。

僕も第一回目に参加し、人生初の鵜飼船に乗ってめちゃ感動(そこから平均で年に2回くらいは鵜飼観覧船に乗るように)。
このおんぱくの企画、僕は本当に素晴らしいなと思ったんです。

15年前にすでに寂れ始めていた岐阜の街、昭和の高度成長期のシンボルは「繊維業」だったそう。しかしそれも海外に拠点が移り、在りし日の栄光になり駅前には繊維問屋のシャッター街が取り残される寂しい状況(今でも取り残されてる)。

そんな中、蒲さんの提案したビジョンは「長良川」。
産業じゃなくて自然の産物。立派な都市の岐阜の街の真ん中を流れる清流長良川をシンボルにすれば、昭和の意識の旦那衆も、新たな道を模索する若者も、伝統に関わる人たちも食や暮らしに興味のある人たちも誰しもが同じ方向を向ける。長良川 is インクルーシブ。
今の時代、すごく難しいのが「異なる立場の人たちが、それでも同じ方向を向くことができる方向」を指し示すこと。
そこに自然という、人間の意思を超えたものを持ってきた視点がめちゃいい。過去を否定することなく、同時に過ぎ去った成功体験にも、都会や海外で流行っているものにも寄りかかることなく、自分たちの足元にあるものから前向きに未来を考えようとすることの真っ当さ、それでいてユニークさも際立っている。
それを蒲さんチームは岐阜を舞台に、行政も市民も企業も交通会社も銀行も巻き込みながら、きっとハードだろうにいつも朗らかに進めている。
蒲さんはここ15年、いつでも僕の尊敬する兄貴分なのです。

それでね。
1年半前に発酵ツーリズムの企画の打診があった時に、僕が真っ先に思い浮かべたのが蒲さんの顔。
蒲さん本人も確固たる信念とビジネス感覚と文化の素養を兼ね備えた素晴らしい旦那だし、蒲さんが代表のORGANチームもチャーミングでタフな才人ぞろい。
蒲さんと一緒に発酵ツーリズムができたら、これまでより格段にいろんな立場の人たちと協働する素晴らしいプロジェクトになるに違いない!

ということで、蒲さんをプロデューサー&実行委員長になってもらうようお願いし、さらにメイン展示会場を僕の思い入れ深い岐阜市、長良川に。
いざプロジェクトが始まってみると、僕たちが想像しているよりずっとずっとたくさんの人達が関わってくれて、自分史上最大の神輿ができあがっていました。15年間、二人で愉快に遊び続けてきた積み重ねが今、東海の食文化、地域文化のキーを握る大企画になろうとしている。めちゃ楽しみ...!

開幕を記念して開催された発酵新幹線は「新幹線のなかで芸姑が舞う」という衝撃の風景が出現。

オープニングセレモニーでは、蒲実行委員長による「うまみの世界首都宣言」が出され、目玉イベントの発酵マルシェは...僕が到着したお昼すぎには飲食ブースほとんど売り切れ!という状態でした。すごー!

さてここからも、日経新聞や岐阜新聞、各種WEBメディアやテレビなどメディア露出祭りも始まります。
行政予算の公共事業でもなければ、シンクタンクや代理店の企画が入るわけでもなし、東海三県の有志たちが、自分たちのできることを持ち寄って、地域の未来を賭けて、真剣に遊びまくる究極の「オトナの文化祭 by 大島さちえ」です。

2ヶ月間、みんなでとことん東海の発酵を遊びつくそうぞ!!!!
これからもまだまだまだまだたくさんのプログラムが開催されます。展示もたくさんの来場者で賑わっています。
行こうよ、東海へ!